sd-wanはネットワークの論理的な構成をソフトウェアで自由に変更することができる技術となっており、これを利用して企業ではネットワーク資産の有効活用を行うケースが増えています。従来はwanを使用する場合には通信事業者にその論理的な構成を含めて提示することでその設定を通信事業者が行うため、状況に応じて迅速な変更を行うことができず、様々な問題を生じることも少なくありませんでした。構成の変更などを依頼してもこれが実現するまで長い期間を利用したり、あるいは通信事業者側の理由で却下されてしまうことも多いのが実態です。sd-wanは企業自身がこれらを制御することができ、利用している物理的な通信回線の経路設定などを自由に変更することができるのが特徴です。
そのため頻繁な経路の変更や状況に応じた適切な対応が可能であり、ネットワーク資産を有効に活用することができるのがポイントとなっています。ただしこれまで通信事業者に委託していたこれらの技術的な設定を企業自身が行うためには、その設定を構成し実際に変更を行うことができるネットワーク技術者の存在が必要不可欠となります。さらにその通信状態を管理することも必要となるため、ネットワークの運用管理部門を設置することが必要です。これらのコストや手間を考慮することが重要であり、特に従業員数が少ない場合には経済的にも大きな負担となることを意識することが重要です。
sd-wanは自由にネットワークを使いこなすことができるものと注目されていますが、そのためにコスト面での負担が大きくなることも同時に認識することが大切です。