it（InformationTechnology）とは情報技術を意味する用語です。これに対してot（OperationalTechnology）は、製造業等で活用するハードウェアを制御・運用する技術を意味し、両者は似て非なる用語であることを理解しておきましょう。これまで、ビジネスシーンにおいてセキュリティ対策と言えば、「it」が一般的でしたが、近年では「ot」の分野においても重要視されてます。産業用制御システムの進化には目を見張るものがありますが、それに伴ってシステムの高度化・複雑化に拍車をかけているのが現状です。
そのため、何らかのトラブルによってシステムが停止してしまうと、復旧までに長時間を要することもあり得ます。したがって、製造業等の現場においては、産業用制御システムの稼働への影響が可能な限り最小で済むよう、必要な対策を講じることが必要不可欠です。産業用制御システムは、製造工場内の制御装置や工作機械をリモートコントロールする役割を担っていますが、これまでは独自のプロトコルのみを使用する、閉鎖されたネットワークとして構成されていました。最近ではotセキュリティセキュリティの観点から、制御装置や工作機械の稼働データをクラウドに転送することで、工場全体の生産性を管理するシステムも増えています。
その結果、セキュリティ対策の1つとして、インターネットや社内LANに連結する産業用制御システムも増えているのが現状です。