工場の物理的なセキュリティは監視カメラや人感センサー、さらに入退室管理システムの導入などで高度なレベルで防犯対策ができています。そのため不審者などが直接的に工場現場に入り込み、窃盗や器物損害といった事態は特に大手製造業者の間では少なくなってきました。一方でサイバー空間におけるセキュリティは大手であっても脆弱なところが多く、大規模なサイバー攻撃によって機密情報が盗まれただけでなく、その機密情報を漏洩させないために攻撃側に数十億円の支払いを行ったケースもあります。こういったデジタル情報を人質にして多額のお金を請求する攻撃が昨今相次いでおり、工場側のサイバー空間におけるセキュリティ対策は急務となっているのが現状です。
一方で工場現場の責任者や統括者の高年齢化が進んでおり、ITやサイバーセキュリティに対してはほとんど意識しないまま現代まで操業させてきたというところも多くあります。こういった現場に置かれている管理システムは相当古いタイプのOSを搭載しており、サイバー攻撃に対して無力であることが殆どです。また、攻撃側もそういった脆弱な部分に侵入して大切な情報などを抜き取っていくため、対策をしなければ何度も攻撃を受けることになり被害が増す一方となるでしょう。現場判断で行わず、必ずIT専門家と連携していくことが大切です。
自社の管理システムの状態や、どこに脆弱性があるのかといったポイントを抑えていくことで、被害を未然に防いでいきます。